土壌汚染対策法が施行されました

 
 

 近年、有害物質による土壌汚染事例の判明件数の増加が著しく、土壌汚染による健康影響の懸念や対策の確立への社会的要請が強まっていることから、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止に関する措置等の土壌汚染対策を実施することを内容とする「土壌汚染対策法」が、平成15年2月15日に施行されました。

  背景及び経緯

 土壌が重金属、揮発性有機化合物等の有害物質により汚染されると、その汚染された土壌を直接摂取したり、土壌から有害物質が溶け出すことにより汚染された地下水を飲用すること等により人の健康に影響を及ぼすおそれがあります。

 こうした土壌汚染は、近年、企業の工場跡地等の再開発等に伴い、顕在化してきています。特に最近における汚染事例の判明件数の増加は著しく、ここ数年で新たに判明した土壌汚染の事例数は、高い水準で推移しております。

 これらの有害物質による土壌汚染は、放置すれば人の健康に影響を及ぼすことが懸念されることから、人の健康への影響を防止するための法制度の確立への社会的要請が強まってきました。

 こうした状況のもとで、環境省では、平成12年12月から学識経験者から成る「土壌環境保全対策の制度の在り方に関する検討会」において、土壌環境保全対策のために必要な制度の在り方について調査・検討が進められ、平成14年1月25日に同審議会から答申がなされました。
 環境省では、この答申を踏まえ法案を取りまとめ、第154回通常国会へ提出し、平成14年5月22日に成立、平成14年5月29日に公布、平成15年2月15日に施行されました。

  法律の概要

1 目的

 土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護する。

2 土壌汚染状況調査

土壌汚染の状況を把握するため、汚染の可能性のある土地について、一定の契機をとらえて調査を行う。

(1)使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の調査
 
 使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者等は、当該土地の土壌汚染の状況について、環境大臣が指定する者(指定調査機関)に調査させて、その結果を都道府県知事に報告しなければならない。(土地利用の方法からみて人の健康被害が生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときを除く。)
  
※ 有害物質使用特定施設= 有害物質の製造、使用又は処理をする水質汚濁防止法の特定施設 

(2)土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査
 
 都道府県知事は、土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがある土地があると認めるときは、当該土地の土壌汚染の状況について、当該土地の所有者等に対し、指定調査機関に調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができる。

3 指定区域の指定・台帳の調製

 都道府県知事は、土壌の汚染状態が基準に適合しない土地については、その区域を指定区域として指定・公示するとともに、指定区域の台帳を調製し、閲覧に供する。

4 土壌汚染による健康被害の防止措置

(1
)汚染の除去等の措置命令
ア)都道府県知事は、指定区域内の土地の土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがあると認めるときは、当該土地の所有者等に対し、汚染の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。
 
イ)汚染原因者が明らかな場合であって、汚染原因者に措置を講じさせることにつき土地の所有者等に異議がないときは、(ア)によらず、都道府県知事は、汚染原因者に対し、汚染の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。
 
汚染の除去等の措置= 立入制限・覆土・舗装(直接摂取の場合)、汚染土壌の封じ込め、浄化等 
 
(2 )汚染の除去等の措置に要した費用の請求
  (1)(ア)の命令を受けて土地の所有者等が汚染の除去等の措置を講じたときは、汚染原因者に対し、これに要した費用を請求することができる。
 
(3 )土地の形質変更の届出及び計画変更命令
   指定区域内において土地の形質変更をしようとする者は、都道府県知事に届け出なければならない。都道府県知事は、その施行方法が基準に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、施行方法に関する計画の変更を命ずることができる。
 

5 指定調査機関

 土壌汚染状況調査の信頼性を確保するため、技術的能力を有する調査事業者をその申請により環境大臣が指定調査機関として指定する。

6 指定支援法人

 土壌汚染対策の円滑な推進を図るため、汚染の除去等の措置を講ずる者に対する助成、土壌汚染状況調査等についての助言、普及啓発等の業務を行う指定支援法人に関し、基金の設置等の必要な事項を定める。 

上記の土壌汚染対策法に関する情報については、次のとおりです。

平成14年11月7日環境省報道発表資料 
 

「土壌汚染対策法施行令」及び「土壌汚染対策法の施行期日を定める政令」について
 

平成14年12月25日環境省報道発表資料
  「土壌汚染対策法施行規則」の制定について
 
土壌汚染対策法に係る条文
  土壌汚染対策法条文 [PDF形式 30KB]
  土壌汚染対策法施行令条文 [PDF形式 26KB]
  土壌汚染対策法施行規則条文 [PDF形式 80KB]
 
土壌汚染対策法に基づく告示
 
土壌汚染対策法の施行通知
  土壌汚染対策法の施行について [PDF形式 100KB]
  指定区域から搬出する汚染土壌の取扱いについて [PDF形式 40KB]
  指定区域以外の土地から搬出される汚染土壌の取扱指針について  [PDF形式 15KB]
 

搬出汚染土壌管理票制度の運用について [PDF形式 11KB]

 

土壌汚染対策法第3条第1項の土壌汚染状況調査について [PDF形式 10KB]

  土壌汚染対策法に基づく基金への政府以外の者からの出えんについて [PDF形式 80KB]
 

  現在、愛知県内(名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、春日井市、豊田市を除く。)における土壌汚染対策法第5条に基づく指定区域はありません。
(指定を行い次第、随時更新していきます。)


  指定調査機関

 現在、愛知県内で調査を行うことができる指定調査機関については、下記の一覧表のとおりです。

  ・指定調査機関一覧表(愛知県内) (環境省ホームページへのリンク)

  土壌汚染対策法施行細則

 愛知県では、土壌汚染対策法により、期間延長の申請様式及び法第3条第1項ただし書の確認を受けた土地について年1回土地の利用状況を報告することを定めています。

 ・土壌汚染対策法施行細則(平成十五年二月十四日 愛知県規則第一号)

  土壌汚染対策法に関する届出について

 土壌汚染対策法に関する届出の様式については、以下のとおりです。

  ・土壌汚染対策法に関する届出様式

  土壌汚染防止のための施策

 現在、本県では、土壌汚染の未然防止のため、工場・事業場に対し有害物質の飛散・漏えい、あるいは地下浸透の防止などの土壌汚染防止対策について指導しています。
 また、工場の移転や市街地の再開発等に伴って土壌汚染が明らかになる例がみられることから、事業者等に対し土地の改変等に際しては、国が平成11年1月に策定した「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」に基づき調査等を実施し、汚染が判明した場合には県に報告するよう指導しているところであります。

 上記の「土壌・地下水汚染に係る調査対策・指針(概要版)」については、次のとおりです。

  ・土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針(概要版)

 



愛知県
環境部水環境課地盤環境室

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